画面下のグラフは、過去5年間の年齢層別遭難者数を1年おきに表したものです。
このグラフからは、「遭難者の増加」と「遭難者の高齢化」が読み取れます。
安全で且つ健康的な登山による健康維持で「高齢化」に対応し、
日本の美しい山岳資源に対して、
健康意識の高い外国人観光客を取り込むことで「国際化」にも対応し、
地域経済に貢献できるような新たなサービスを提供していきたいと考え、
健康登山アプリの開発を始めました。
さて、ここで、皆さんの中には、「登山はスポーツなのか」という疑問を
お持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
私個人としては、「登山はスポーツである」と考えています。
しかし、一般的には「登山はレジャーであり、遊び、観光である」という意見が大勢かもしれません。
厚生労働省では、「アウトドアスポーツ」の中で、登山も対象としています。
しかし、オリンピック種目についていえば、スキーやスケート、自転車などの競技とは異なり、
登山については、東京オリンピックで「スポーツクライミング」が初めて正式種目に選ばれた程度です。
一方で、運動強度(METs)を考えてみたいと思います。
この表を見る限り、登山もバスケットボールやサッカー、ラグビーなどの激しいスポーツと同じか、
それ以上の運動強度を必要としています。
では、なぜ登山はスポーツと認識されにくいのでしょうか。
スポーツには「ルールと客観的な数値データ」が必要なのですが、登山にはそれらが不明瞭で、
且つ不足していることが原因だと考えられます。
私は、登山における「ルールと客観的な数値データ」の明確化を、
健康登山アプリで支援していきたいと考えています。
世の中には、すでに数多くの登山アプリが存在します。
しかし、それらは全てGPSの緯度・経度と地図から得られる平面的な位置情報にすぎません。
私たちは、位置情報に高度を加えることで、登山者の行動を分析することにチャレンジしています。
位置情報と登り・下りの行動分析に基づく「安全登山」を前提として、今後は、
運動評価と体力評価による「健康登山」へと人々のニーズは変わるものと考えています。
運動評価と体力評価です。
ここで重要なのは、運動強度METsと登高速度になります。
しかし、この登高速度を正確に算出することが非常に難しいことが分かっています。
登高速度を表示する腕時計がすでに販売されていますが、階段や岩場の登り・下り、
そして急激な気象変化によって、とんでもない数値が表示されることがあります。
私たちは、まずこの登高速度の精度向上にチャレンジしています。
さて、健康登山アプリの未来です。
現在は、「安全な登山歩行の支援」と「登山者の体力評価」の段階です。
そして、将来的には蓄積されたデータを私たちが得意とする人工知能(つまり機械学習)のモデルを利用し、
「行動変容の支援」と「健康維持活動の支援」につなげていきたいと考えております。
私たちの「健康登山アプリ」は、2019年度の「東京都 新製品・新技術開発助成事業」に採択されました。
すでにPoCによるプロトタイプ開発は完了しておりますので、現在、本格的なシステム開発を進めています。
また、国立大学法人「鹿屋体育大学」の山本正嘉教授との共同研究も同時に進めています。
山本先生は登山の運動生理学に関する第一人者であり、日本全国で数多くの研究・実践活動を
行なっています。
最後に、皆さんにお知らせです。
現在、スマホアプリの開発経験者を募集しています。
雇用形態については、正社員や契約社員、アルバイト、フリーランスなどを考えています。
私たちは海外の企業ともビジネスをしていますので、テレワークが可能であれば、
勤務地は、日本全国どこでも大丈夫です。
私たちと一緒に、この「健康登山アプリ」を開発して、世の中に全く新しいサービスを提供しませんか。
まずは、私たちや「健康登山アプリ」のことを知っていただきたいと思いますので、興味のある方は、
ぜひご一報ください。
皆様からのご連絡をお待ちしております。